【群発性頭痛】走れ、己のままに(病気との共生)

【超痛ぇ】群発性頭痛の生き方

”クレイジーランナー”とはいったい何者なのか?(自己紹介)

実は、私がYouTubeやブログをやっている理由はシンプルだ。群発性頭痛の患者でも人生をウルトラ楽しめることを証明したいからだ。証明するためには数々のクレイジーなチャレンジに身を投じる必要がある。

【最終回】クレイジーランナー犬走の疾走

寒い。日の出を迎えたばかりの朝の空気を肺に詰め込む。眠っていた身体が覚醒していくのを感じる。私はゆっくりと走りだした。

群発性頭痛の発作が初めて起きてから15年。私は生きていた。

突然の激しい頭痛から3年が過ぎていた。あの単発の発作はなんだったのだろうか。事実として言えることは、あの謎の頭痛以来いっさいの発作がおきていないということだ。このように、気ままにランニングを楽しめている。

スマートフォンが振動を私に伝えた。画面を確かめると【ぎゃんこ】の文字が表示されていた。ぎゃんこはかつて私のサラリーマン時代の、もっとも優秀な部下だった。現在は私同様に会社員を辞め、個人でエステサロンを経営している。

『てゆーかマジわからないんですけど。ちょっとたのむわー。』

どうやら、店舗ウェブサイトの管理がうまくいかないらしい。ランニングが終わったら、ぎゃんこの店に行くことにした。会社員を辞めてから、私はまずプログラミングを覚えた。プログラミングスクールの講師などを務めたあと、フリーランスとして活動している。

私の生き方は大きく変わった。仕事の仕方が変わった。人間関係も変わった。そして何より、価値観が変わった。私は信濃インダストリーで忙しく働いていた時のように、誰かに評価されようとは思わない。誰かの土地に資産を積み上げる仕事はもうやめた。今は、自分の土地に資産を積み上げる活動に重きを置いている。

当面の目標は、自分の脚だけで日本を縦断することだ。北海道の最北端から、九州の最南端までおよそ3000㎞。群発性頭痛の発作でのたうち回っていた男が、そんな訳の分からないチャレンジをしているなんて面白いじゃないか。そんなヤツが、この世界に一人くらいいてもいい。日本の次はカナダ横断もやってみたい。そのために私は、人とは違うお金の稼ぎ方をする必要があった。フリーランスになることは、私の人生において必然だったと言えるかもしれない。

人生を振り返るとき、私には必ず”律儀な悪魔”・群発性頭痛がついて回る。だが、彼は私にとって本当に敵だったのだろうか?彼のおかげで私は普通の人生を捨て、リスクをとることに迷わずに済んだのではないか。そんなことすら感じる。

トゥンク…。

一瞬、左側頭部が痛んだ気がした。

『お前か…?たまには来てもいいんだぞ。』

嘘だ。あんな地獄のような発作、来ない方がいいに決まっている。しかしどうしてか、長年会っていない友人と会話をしたような気分になっていた。

自殺頭痛。誰が呼び始めたかはわからないが、そんなバカげた名前の病気があるらしい。その発作による痛みは激烈。私はこの世界に生まれた瞬間に、そのレアな病気になるはめになった。

私から普通の人生を奪った”律儀な悪魔”が、命を熱く燃やし続ける。

 

【回避】発作から全速力で逃げろ

発作に全力で立ち向かうのも一つの選択肢です。激痛を克服し、一般的な社会人生活を送る努力をする。その判断は決して間違いではありません。私も長い間、そのクエストにチャレンジしてきました。

これから私が話すことは”答え”ではありません。『こんな選択肢もあるんだな』程度に捉えていただければ幸いです。

 

①フリーランスとして働く

企業に就職することだけが生きる道ではありません。自分で仕事を取ってくるという働き方もできます。

会社員しか経験がないと、これは難しく感じるかもしれません。しかし、やってみると恐ろしいほど簡単です。フリーランスとしての生き方については、また記事を書こうと思うのでお待ちください。

フリーランスで働くことは、群発性頭痛の患者にとってはかなり有利であると言えます。発作が起きたら薬を服用し、意識を失えばいいからです。元気になれば仕事を再開すればいい。そんな自由度が、精神的な余裕にもつながるでしょう。

 

②発作の起こる時間に働かない

私は夜間仕事をすることが多いです。それは、発作が正午に起こることが多いから。ホテルの夜間スタッフとして勤務しましたが、かなり調子が良かったです。勤務中に発作が起きる心配がないですからね。

この方法はかなり現実的です。会社員の場合でも会社側に相談することで、自分の発作が起こる時間を避けて勤務することを模索できるでしょう。

 

③24時間、いつでも寝ていいルールで生きる

サラリーマン時代の私が聞いたら羨ましすぎて発狂しそうですが、私は睡眠時間を決めていません。いつでも寝ていいというルールで生きているんです。仕事が煮詰まってきたり、どうしてもやる気が出ない時は寝ます。元気な時はランニングに行って気分転換をします。

私に言わせれば、会社員時代にやっていた”週5で毎日8時間くらいひたすら頑張る”なんていう働き方は非効率極まりないです。

この生き方は、おそらく私の体内時計にパルプンテ的な変化をもたらしました。身体的には”いつ寝るのかわからない”ため、体内時計がめちゃくちゃになったと思います。群発性頭痛は”体内時計と深く関係している”と言われています。あくまで可能性ですが、睡眠時間がめちゃくちゃな私に対し律儀な悪魔さんサイドから愛想を尽かしたのかもしれません。

 

【結論】世界のルールは自分で決める

持病のせいで日常生活が送れない…。会社員時代にはそう感じていました。でもこれは間違いです。なぜなら私は今、日常生活を普通に送っています。

いちいち、世界のルールや一般常識に自分を押し込めるのはやめましょう。これは群発性頭痛がどうとか関係ない。すべての人がそうです。他人の顔色をうかがうことで生きながらえるより、自分の脚で駆けて命を削ろうじゃないですか。

自分がどう生きるかは、自分で決めることができるんです。

 

【次回予告】いよいよ日本縦断しますぞ!

これで私の群発性頭痛の物語は終わりです。ですが、私の人生は続いていきます。再び律儀な悪魔がやってくる可能性もあります。楽しみですね。

発作が起きるのを待っていても仕方がないので、走り始めましょう。次のチャレンジは、日本縦断です。どんな工程で日本列島を攻略するのか?”冒険計画書”が書けましたら、ぜひ読んでみてください。

冒険計画書を待たれよ!

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