だいたい、県境には大自然が広がっているものだ。(写真:熊)
私は長野県縦断チャレンジに成功後、自宅のある諏訪市に帰る方法がないことに気付いたのであった。
【岐阜県東部】豊田市稲武~恵那市の見どころ
選択肢はいくつかあった。
- 稲武からいったん名古屋に出て、それから諏訪に戻る(超遠回りだし、めっちゃ金がかかる)
- 前日に出発した飯田市まで戻り、そこから諏訪に戻る(同じ道で飽きるし、そんな体力がない)
- 岐阜県に侵入し恵那から諏訪に戻る(これや!!)
べつに、恵那ルートが素晴らしいルートであったわけではない。消去法だ。他の2ルートは上記の理由から絶対に行きたくはなかった。というわけで、見たことも聞いたこともないルートで恵那を目指す。37.1km。昨日までの4日間で脚を使い果たし、ほぼ走れないだろう。
①稲武エリア
道の駅どんぐりの里いなぶからは、しばらく山間部を行く。たまぁに民家が出てくるくらいで、ほぼほぼ峠道だ。当然商店はないし、自動販売機もめったにない道が10km以上続く。
岐阜県に侵入する少し手前では、素晴らしい景観の”押川大滝”を見ることができた。陽キャが10人くらいで滝壺にDive to Blueしていた。青春だぜ。
②恵那市農村エリア
まだまだしばらく山間部を行くと、女城主で有名な岩村城の近くに出る。実はここへはドライブで来たことがあった。もちろん人間モードでは初めてである。
女城主と言っても、おんな城主直虎ではない。コウ柴咲演じる井伊直虎は、遠江の領主だ。静岡県の人なのである。コウ柴咲と同時期に、岐阜県にも女城主がいたことは知らない人もいるのではないだろうか。
こちらの女城主の名は『おつや』。亡くなった城主・遠山景任の奥様であり、夫の跡を継いで岩村城周辺を統治した。武田軍の勇将・秋山信友の侵攻を受けた際、おつやとの結婚を条件に民衆の命を守ると言いだしてきた。とんでもないドスケベ野郎である。しょうがないから信友の妻となる道を選んだおつや。しばらく平和な時間が過ぎるのであった。
しかし時は戦国時代。今度は織田軍が攻めてきた。実はこのおつや、信長の叔母にあたる人物なのだ。武田軍に降ったおつやに対し信長は激おこ。その怒りはまさにムカ着火インフェルノであり、岩村城を猛攻する。信友・おつや夫妻は再婚夫婦ながら半年ほど猛攻に耐えるも、武田軍からの援軍も期待できず大ピンチに陥る。
そんなとき、織田軍から救いの手が。『投降すれば信友・おつや夫婦と民衆の命は奪わないよ。』織田軍、意外と優しいやん!と思って武田軍は開城し降伏したのであった。しかし激おこであった信長は約束を破り、信友・おつや夫妻を処刑してしまう。なんということでしょう。戦国時代は容赦ないし、やはり信長はムカ着火インフェルノであったのだ。
そんな”おつや”の人生は時代に翻弄された残酷なものだった。しかし、おつやが民衆のために生き、民衆に慕われていたことは確かだ。現在も、この地域ではおつやへの想いが受け継がれている。
③恵那市街地エリア
やっと恵那市の街っぽいエリアに出る。NHKの朝ドラ・半分青いのロケ地にもなったフクロウ商店が見えてきたらいよいよだ。恵那市はいろいろとNHKとゆかりが深いようだ。麒麟が来る!の明智光秀もこのあたり出身ぽいし。(看板があった)長谷川博己さんもビックリの贔屓っぷりである。
ぶっちゃけ、岩村町までくれば電車に乗れる。しかし、どんなに疲れていても乗り物に乗ることはなかった。イヤなのだ。自分の始めた戦いは、自分の脚で終えたい。そのこだわりは今でも凄まじく強い。
結果、恵那駅に着いた頃にはすっかり夜となっていた。
【まとめ】幻の5日目は37.1km、とにかく歩きにくかった
県境なんてどこもそんなものなのだが、やっぱり道が狭かった。車通りもそこそこあったので気を遣った。進行スピードもかなり落ちただろう。
あとは商店がとにかく少ない。県境なんてそんなもんなのだが、道中なぜかチャーシュー麵が食べたくて仕方なかったのを覚えている。お腹とはワガママなものである。(塩尻でやっと食えた)
おそらく二度と通らない道かとは思うが、非常に思い出深い道となった。これも、交通手段が少ないおかげで出会えた景色たちだ。逆境よ、本当にありがとう。
【見れるで!】YouTube動画のご紹介
今回のブログの内容はすべてこちらの動画に詰まっている。長野県縦断チャレンジシリーズで、この動画だけは私が編集していない。我が犬走映像舎の部長が編集してくれた。よって、普段よりずいぶん観やすい動画になっているだろう。(涙目)
コメント