うっすら脚を覆う毛が、膝の腫れよりも気になる。
一晩中、激痛に耐えるクレイジーランナー
2022年9月12日(日)夕方、私は耐えがたい苦痛に耐えていた。膝の痛みは限界に達し、5m先のトイレに到達するにも数分かかる始末。とにかく歩くのがつらい。
前回のブログの時点ではまだ余裕があった。それほど痛みがなかったのだ。ところが現在は、歩いただけで激痛が走る。膝の角度を、90°から動かせないのだ。伸ばすことも、曲げることも困難だ。まるで私の膝関節がボイコットを起こしているようで、かたくなに本来の業務を全うしようとしない。今までランニングで酷使してきたことが、よっぽど腹立たしかったのだろうか。
痛みのレベルがどんどん上がっているため、『翌朝まで耐えられないかもしれない…』という考えが頭をよぎる。私は一縷の望みをiPhoneに乗せ、救急病院に電話を掛けた。(日曜日だからね)
すごく丁寧な対応をしてくださったのだが、当直医が内科医の方であり対応は難しいとのこと。この時点で、地獄の一晩をすごすことが確定したのである。
到達、整形外科
朝だ。私は生きていた。連続テレビ小説・ちむどんどんのオープニングを歌う、三浦大知の美しい歌声で目が覚めた。しかし、すがすがしい朝とは程遠い。病院の診察に向かわなければならない。
一晩中、脚を90°に曲げたまま眠った。多くの座布団で高さを作り、その上に右脛を乗せる格好だ。昇天で座布団を稼いだ楽太郎が、毒づいたネタで歌丸に『山田くん、楽さんの全部持っていっちゃいなさい!』と言われるがごとく、私も座布団のない世界に降り立つ必要があった。
私の住む信州の山の奥の奥から、個人で開業されている整形外科クリニックを訪れた。昨日電話させていただいた大病院に行ってもよかったのだが、今の脚の状況で長い廊下を歩けるとは思わなかった。
クリニックでは、受付時間開始前から5人ほどの患者がいた。早めに玄関を開放し、患者の待ち時間を減らしている。すばらしい気遣いだ。受付の女性も大変親切だった。私の歩行が困難であると知ると、問診カードなどをわざわざ歩いて持ってきてくれた。水まで持ってきてくれる親切さだ。しかも、とんでもなくかわいい。
大量の予約済み患者が診察を終えた後、いよいよ私の名前が告げられた。『犬走さぁん。犬走タリオさぁん。おまたせしておりまぁす。』助かった、いよいよ診察していただける。しかし、一抹の不安もあった。そもそもこの激痛は、すぐに改善する方法はあるのだろうか?
診察室では、とてもさわやかな先生が迎えてくれた。40代前半だろうか、ロザン宇治原の毒気を完全に抜いた感じだ。先生は私の右ひざを触診し、見解を述べた。
①膝関節の軟骨の状態は良い
最初に、かなり意外な言葉を言われた。関節は問題なさそうだと。激しく安心した。私の目標である日本縦断やカナダ横断に、大きなハンディを抱えることになると考えていた。その心配は、かなり小さくなったのかもしれない。
それと同時に、私の頭上には大型のクエスチョンマークが形作られる。では、この激しい痛みの根源は一体なんだというのだ。
②赤く腫れてはいない
これは、症状を見る上で重要なファクターらしい。たしかに私の右ひざは大きく腫れあがっていたが、赤くはなっていない。しかし先生の口ぶりでは、赤く腫れていた方が納得がいくようだった。
③熱を帯びている
これは自覚症状がかなりあった。幹部が熱いのだ。『ボクは問題を抱えているよ』と、膝が自己主張しているようだった。
これが決定的なファクターになったらしい。この時点で、先生は私の症状の本質をほぼ理解していたようだった。
結論、変形性膝関節症ではない
素人の自己診断などあてにはならない。今回もそうだった。私は長時間に及ぶランニング癖によって、関節をダメにしてしまったわけではなかった。
答えは、私の膝に溜まっているモノを”バカでかい注射器”で抜いた時にわかった。答え合わせに使われた注射器は2本。一本では抜けきれなかったのだ。
脚の痛みの3倍くらいキツい、針の痛みに耐える必要があった。特に一度抜いた穴に2本目の注射針を刺したときには、極上の痛みを味わえた。私は自分の膝から”それ”が出てくるのを、ずっと直視していた。注射をガン見してしまうのも、私の悪癖と言えるのかもしれない。
巨大な注射器の中には、黄色く濁った液体が満たされていた。
【真実】なぜ膝がパンパンに腫れたのか
抜いた関節液に含まれていたものは、尿酸結晶だ。それが関節液を黄色く濁らせていた。
『99パーセント、痛風だねぇ。』
痛風?なんだそれは。不摂生な太った中年がなるものなんじゃないのか?俺は混乱した。毎日食事での摂取カロリーと運動での消費カロリーを記録している私が、どうしてそんな病気になるんだ?
この日最大級のクエスチョンマークが、私の頭上に形成された。痛風?なんなんだそれは…。
【次回予告】検証、なぜクレイジーランナーが痛風に?
究極に自己管理しているはずのクレイジーランナーは、なぜ痛風になったのだろうか?その謎を徹底解明!
更新を待たれよ!
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